桑の葉の糖尿病改善効果、ヘモグロビンa1c値を下げる効果は実証済
古くから糖尿病の治療に用いられていた桑の葉。
最近では、桑の葉の成分、DNJに血糖値やヘモグロビンA1c値を下げる効果があるということで、医学的な研究も進み、注目を集めています。
今回は、そんな桑の葉の成分、「DNJ」の血糖値やヘモグロビンA1c値を下げる効果などについて、ご紹介します。
この記事の目次
桑の葉の歴史と糖尿病改善効果
古くから認められていた桑の葉の効能
桑は、日本や中国をはじめ、世界中に自生しているクワ科の落葉樹です。
野生の桑は強い生命力を持ち、切り落とされた幹からも新しい葉が次々に生えてきます。
漢方では、桑の枝や根の皮,実、葉などの部分が古くから使われてきました。
漢方には上薬、中薬、下薬という分類がありますが、桑の葉は、「効能がそれなりにあり、副作用はそれなりに少ない」とされる中薬に分類されています。
日本では、関東地方をはじめとする養蚕地では、古くから健康のために桑の葉をお茶として飲む風習があったと言われています。
桑の葉の糖尿病改善効果は鎌倉時代に認められていた
日本では、鎌倉時代の書物に、桑の葉の糖尿病改善効果についての記載があります。
栄西禅師による「茶書兼薬書喫茶養生記」に、「桑粥、桑湯を服用すれば渇きを覚える飲水病(糖尿病のこと)に数日で効果が現れる」などと、記されていたそうです。
当時は、喉が渇くために水をたくさん飲むようになることから、糖尿病は「飲水病」と呼ばれていたようです。
700年以上前の鎌倉時代から、桑のお粥や桑湯に糖尿病の治療効果があるとされていたんですね!
桑の葉の糖尿病改善効果は実証済
桑の葉に含まれる「DNJ」にはヘモグロビンA1c値を下げる効果あり
近年、糖尿病改善効果が期待できるとして、特に注目されているのは桑の葉に含まれる 「1-デオキシノジリマイシン(DNJ)」という成分です。
「DNJ」は、桑の葉以外にも含まれていますが、その含有量は桑の葉がダントツに多く、「DNJは桑の葉の固有成分」と言われることもあるほどです。
食事で摂取した炭水化物などの糖質が分解され、ブドウ糖として小腸で吸収されるのは、α-グルコシダーゼという酵素の働きによります
「DNJ」は糖質(ブドウ糖)とよく似ているため、α-グルコシダーゼという酵素と結びつきます。
それにより、食事で摂取した糖質の小腸での吸収が妨げられ、糖分の吸収が緩やかになり、食後の血糖値の上昇を抑えることから、糖尿病の予防や改善効果につながると言われています。
「DNJ」は食事で摂取した糖質の吸収を完全にブロックするわけではありませんが、緩やかにすることで、血糖値の上昇を抑えます。
桑の葉の糖吸収抑制効果
実は今から10年以上前に行われた第23回肥満学会でも、桑の葉の糖分の吸収を抑える効果は、医薬品とした販売されている糖吸収抑制薬とほぼ同等であると発表されています。
その時に発表された糖尿病患者に対する臨床試験では、ヘモグロビンA1c平均7.6の糖尿病患者9人が、2~4カ月に渡り、桑の葉1.8gを1日3回摂取したところ、9人中6人のヘモグロビンA1cの値が6.3まで低下したそうです。
また、空腹時の血糖値が102-147mg/dlの10人を対象とした臨床試験では、4週間に渡り、桑の葉1.8gを摂取して、その後数週間開けてから、プラセボ薬(偽薬)1.8gを摂取したところ、桑の葉を4週間摂取した後の空腹時の血糖値の方が明らかに低いという結果になったそうです。
桑の葉は糖尿病改善以外にも健康のための効果あり
桑の葉の豊富な栄養素と健康のための効果
桑の葉には、「DNJ」以外にも健康に役立つとされる成分が豊富に含まれています。
桑の葉に含まれているGABA(ギャバ)は脳内の血流を活発にし、脳細胞の代謝機能を高める働きや、血液中の塩分をろ過する腎臓のはたらきを活発にして、利尿作用を促すことにより血圧降下作用があることが知られています。
また現代人に不足しがちなカルシウムはキャベツの約60倍、鉄分は小松菜の約15倍も含まれています。
それ他にも、桑の葉には、ビタミンC、ビタミンB、ビタミンA、亜鉛、鉄、マグネシウム、食物繊維など、健康に役立つ豊富な栄養素が含まれています。
桑の葉を効果的に摂取するためには
桑の葉は食品なので、基本的にいつ摂取してもOKです。
ただし、桑の葉の「DNJ」が持つ血糖値の上昇を抑える効果を最大限にするためには、食事で摂取する糖質に先回りして、「DNJ」を小腸に送りこむことが大切なので、食事の15分程度前に摂るとよいでしょう。
また、より効果的に血糖値の上昇を抑えたい方には、桑の葉の「DNJ」が持つ血糖値の上昇を抑える効果であるαグルコシダーゼ阻害を、普通の桑の葉茶の約130~300倍に強めることに成功したサプリメント『桑ポリス』がおすすめです。
『桑ポリス』は臨床試験でもヘモグロビンA1Cの数値を下げる効果が実証され、多くの医学系フォーラムや学会などで紹介されて、話題を呼んでいます。